2012年5月2日水曜日

4・5月合併号!

はっふーい!
「ほをずり」4・5月合併号が刷り上がってきました!
5/6文学フリーマッケットでは、D-53ブースでお待ちしておりますので是非お越しください。
一部200円で、バックナンバーともども販売しています。


BJ氏の勃起短歌は相変わらずいろんなモノが爆発しています。短歌を一種引用すれば・・・
ふるさとの 名前を売った 春の午後 東京の隅で 勃起している
少し前に、財政悪化の影響で市のネーミングライツを売るというニュースがありました。そこはかとない寂寞が勃起に込められているようでもあります。
今回は、勃起短歌の解説付きということで、作者がその世界観を露出していて興味深いです。
「勃起とはかつて憧れだった・・・」 ほんまかいな

榎田氏エッセイは今回は小説仕立て、彼女曰く「女性に気に入ってもらえればそれでよし」とのことです。確かに、女性の共感は得られそうです。
僕は「コートでダッシュ」に痺れました。「俺さ、九十九パーセント間に合う、って思ってるで」という言葉が出てくるのですが、その余裕感にグッと来ます。
「弁当箱と化粧落とし」は、社会人の主人公と大学院生の彼氏の別れ話の顛末を描いた小説。「オンとオフの感覚」がある社会人とそれがない大学院生、という構図が、絶妙に別れ話と結びつき、結びつくと同時にズレを含んで重ねられます。

僕の小説は、反原発デモの警備をする警察官を描いたものです。
僕には基本的に、あんな平和な日本のデモに警察官がわらわらといる意味が分からないですし、路上の片側しかデモに解放されていないのにもイライラします。
しかし、小説の動機はもうちょっと複雑です。デモは肯定したいけれども、どこかそういう政治的な意識の高い人々から疎外されて、かつ権力の側に属してしまった人間を描きたくて、この小説を書きました。

也田氏は、不条理的な小説「貝に砂」と、創作「響きで決めるカタカナ語辞典」の二本立てです。
「明らかに、僕が食べる貝には砂が入っていることが多い」という書き出しで始まるこの小説。なんだかちっぽけなことに思えるが当人にすれば結構いちいち苛立たしい偶然が、驚くような結末にいたります。「響きで決めるカタカナ語辞典」は、也田氏が時折twitterで流しているものですが、言葉遊びのセンスで勝負です。例えばこういうもの。
【ザッケローニ】
ズッキーニよりひとまわり大きい野菜。表面は黒く中は白い。味は大根に近い。中央の鍋料理に半円状に着られた状態で入っていることが多い。

松山氏の詩は、タイトルからなにか恐ろしいものを感じる「菩薩のごとく」にびっくりします。並びが「理想」、「キス」ときて「菩薩のごとく」! 
「キス」からちょっと引用してみましょう。「キス」という語感が繰り返されてリズムが良いです。
青い痣の残る手の甲にキス
生意気に尖る唇にキス
草の匂いのする黒髪にキス
言葉の代わりに愛を吹きこんで
弾ける瞳から好奇心は蝶々のように
花から花へとせわしなく舞う
見渡す限りの可能性に羨望のキス
いつか芽吹く夢には 願いを重ねてしまうだろう


みなさんに読んでいただくことを、一同楽しみに待っています!

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