2012年2月8日水曜日

フレデリック

ハイホー!
網谷です。
明日(というか厳密には今日、あと8時間後)に修士論文の口頭試問を控えて緊張のあまり寝付けないので、ブログを書いてみることにしました。

上の写真は、僕が大好きなレオ=レオニという絵本作家の『フレデリック』という作品と、united arrows green labelで売られているフレデリック!
フレデリックは「ちょっと変わったねずみ」なのです。
絵本は、ねずみたちが冬ごもりのためにせっせと食料を集めているところから始まります。だけど、フレデリックだけはみんなが働いている中で、一人ぼんやり空想にふけっています。
「フレデリック何をしてるの?」とみんながたずねても「寒くてくらい冬の日のために、僕はおひさまの光を集めてるんだ」とか「色を集めているのさ。冬は灰色だからね」とか「僕は言葉を集めてるんだ」などと答えます。
さて、いよいよ冬ごもりにはいり、巣の中でこごえそうになりながらみんなは小さくなっています。最初あった食べ物もだんだんなくなっていき、みんなが元気をなくしていきます。活発だったおしゃべりも、しだいに途切れていきます。そのときみんなは思い出します。「フレデリック、君が集めたものは一体どうなったんだい?」
そこでフレデリックは言うのです。「目をつむってごらん」
そして今まで自分が見てきた色や、言葉を伝えるのです。そうすると、みんなの頭の中には暖かかった日々のことがありありと思い浮かんできて、幸せな気持ちになるのです。フレデリックが集めた言葉は、詩のように野ねずみたちと四季のうつろいを歌いかけます。みんなは、冬ごもりの退屈も忘れて拍手喝采。フレデリックを褒め称えます。
「驚いたなあ、フレデリック。君って、詩人じゃないか!」
フレデリックは紅くなってお辞儀をします。そして、恥ずかしそうに言いました。
「そういうわけさ」

それだけの話しなんですが、僕はこのおはなしにすごく魅了されます。なによりレオ=レオニの切り絵が愛らしい。そして、この絵本が、例えば「アリとキリギリス」のような教訓話にならなくて、「詩人」フレデリックを豊かに優しく伝えるところ。

僕らの『ほをずり』も、フレデリックのようであれたら、と思います。

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